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ひとひらの...
目を覚ます 芯まで凍える朝に ひとひら ひとひらと舞い落ちる 雪の結晶 窓に息を吹掛けて 空上から舞い落ちた その姿を確かめる 少しの間...魅了され 時を止めた
花灯
三日月夜 月の光に映し出された 桜の花びらのように ひらりひらり 舞い散る雪を 雪見桜と呼ぶ 春まだ遠い夜 月の光に照らされ ひらり舞う 花びら コツコツと音たて 独り歩く道程 俯く横顔に 空から冷たい涙が落ちる 雪見桜薄紅色に染め 唇を奪う 凍るような冷たい指先をなぞり押しあて 拭い去るように 心の片隅を閉ざす … 静かに夜に 吐息をもらす もう… …終わりにしましょう 流るる涙と共に… 降り落ち 土に染み込みて 空へと昇り戻る …何千年の果てまでと… 愛し あか.る